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アメリカの基幹産業を保護する：トランポノミクスが意味していたもの

Preserving Basic U.S. Industries: The Implications of Trumponomics

Cal Clark （オーバーン大学　政治学部　名誉教授、アメリカ)

Evelyn A. Clark （ニューヨーク州立大学オスウィーゴ校、社会学部、准教授)

Publication Date: 2019/12　 184 pages

ISBN: 978-1-53616-653-8, paper $95.00

ISBN: 978-1-53616-654-5, E-book　

　

1870年代のアメリカ産業革命の始まりは、経済的、社会的進歩と変容の「特別な世紀」を作動させました。第二次世界大戦後、米国は最初の中産階級社会を創りだしました。しかし、1970年代から、はっきりと種々の結果をもたらす新しい変革が始まったのです。グローバリゼーションは、多くの重要な産業を海外に押し出し、新興の情報化時代は、米国の労働力の性質を変えてしまいました。そして、ビジネスの転換と政府の政策は、被雇用者にますます圧力をかけました。ここでの主な敗者は、大学教育を受けていない労働者階級と地方に住む人々でした。残念ながら2016年以前は、どちらの主要政党も、どちらの党派の人々のためにも「良い仕事」を見つける必要性に対処していませんでした。

ドナルド・トランプは、2016年に共和党員として白人労働者階級への強い訴えをもったプラットフォームで米国大統領に立候補し、政府の力を利用しグローバリゼーションの力を覆して米国に良い仕事を取り戻し、グローバリゼーションと新自由主義の犠牲者に繁栄を取り戻すことを約束しました。実際、「トランポノミクス」という言葉は、彼の独特の（ユニークではないにしても）経済戦略を表現するためにすぐに造られました。私たちの分析は、アメリカの労働者階級が中産階級のライフスタイルを維持するのを支援する可能性についてはかなり懐疑的です。最も基本的には、選挙に勝ち権力を維持するというトランプの戦略は、経済的ではなく文化的問題を強調しています。　さらに、大統領の経済戦略の3つの中心的要素にも問題があります。

まず、トランポノミクスは、労働者階級の苦悩のカギとなるいくつかの要因を無視しています。第二に、大統領の経済政策には、互いに矛盾している、そして/または逆効果をもたらすかもしれないものがあります。そして第三に、いくつか（の政策）は、非常に物議を醸し、民主党員からあるいは重要な共和党の支持者たちからさえ強い反対に直面しています。それでも、ドナルド・トランプは、かなりの数のアメリカ人が直面している経済問題を浮き彫りにさせたことで称賛されるべきでしょう。そして、トランポノミクスの反対者は、この忍び寄る経済危機に立ち向かうという挑戦に立ち上がらねばなりません。

 

Table of Contents:

Preface

Chapter 1. Preserving Basic U.S. Industries: The Implications of Trumponomics

Chapter 2. The Dynamics and Dangers of Development

Chapter 3. The Changing Trajectories of Industrialization in the United States

Chapter 4. The Role of Government in America’s Changing Economic Fortunes

Chapter 5. The Trump Coalition

Chapter 6. Trumponomics as a Strategy for Reviving Working Class Jobs

Chapter 7. Implications

References